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うたがき

書家が東京から地元の地方都市へ戻り、作品と友人に囲まれながらゆっくり夫婦で過ごすための家。一筆書きの平面プランにギャラリー空間と住宅機能を織り込み、入口から奥に向かうに従い段階的にプライベート空間となる。連続するトップライトとともに折り返しながら内外を繋がる一筆の壁は、外壁仕上げと、内壁仕上げもそのまま内外を連続し、天井から降り注ぐ自然光とともに、そのほぼ全ての場所が展示壁となるように構成されている。所々に設置されるパブリックとプライベートを仕切る襖は、作家の作品である。一筆に込めた想い、時間を、空間に重ねた。筆先の終着点は、寝室とともに、空に向かって柔らかく開く浴室となっている。小さな客間として準備された二階の和室は、一階の一筆描き空間に重なりながら二階へ繋がる。一階と対照的に、濃紺の閉じた空間に絞った自然光が床の間の上に落ちる。暗い部屋の中で、目が慣れてくると作品が浮き上がるギャラリーでもある。

Date:2018

Category:戸建て住宅
Location:群馬県前橋市
Total floor area:133.77㎡
Consultant:多田脩二
Contractor: 有限会社大寛建設
Photo by Takumi Ota